写真と心の中に刻まれた、ある日の旅のワンシーン…
鉄道と列車、駅舎巡り、エアラインと言った乗り物系の他、旅で訪れた街の風景、気になるモノ、宿泊したホテルなんかも綴った旅行記ブログ。日本全国、たまに海外へ…
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ちょっとほぼ日帰りで山形に行って来ました。
第3セクター鉄道・山形鉄道フラワー長井線の駅を色々見てきたのですが、大きな目的の1つが西大塚駅で開催されている鉄道写真家・米屋浩二氏の木造駅舎をテーマにした写真展を見る事でした。
米屋氏は、最近では写真集「木造駅舎の旅」を出版されています。
無人駅となって久しく空家同然となっている駅事務室が会場で、一般人が普段入る事ができない場所に堂々と入れる点にもそそられます。昔ながらの素朴な木造駅舎で、木造駅舎のディテールや情景など味わい深い写真を堪能する・・・。木造駅舎好きにはたまらないひと時です。
西大塚駅は大正3年(1914年)の駅開業以来の木造駅舎が現役。米屋氏曰く、東北地方では開業以来の姿をよく留めた唯一の木造駅舎との事。東北の駅舎を多く見てきた訳ではありませんが、思い返せば確かにそうかもしれません。
会場へはホーム側から入ります。入口には「トラベルフォトニュース 日本国有鉄道」というレトロな掲示板が、写真展のウェルカムボードとして利用されていました。元は恐らく、国鉄の各駅で、旅行関連ニュースを掲示するための掲示板だったのでしょう。
駅事務室内は大きな改修の跡は見られず非常に良く原形を留めています。そんな空間に味わい深い木造駅舎の写真が数々が飾られています。大判のフィルムカメラで撮影されているとの事で、そうなると三脚にカメラを据えてじっくりというスタイルになるのでしょう。丁寧に撮影されている感じがしました。私も見習わなければいけません。
内部は原形を留めると言えば聞こえはいいのかもしれませんが、無人化以降、放置状態だったためか、漆喰が汚れているなど相当古びていました。天井の煙突排気口辺りから雨漏りもしていたそうですが、山形鉄道さんがわざわざ修理してくれたそうです。それに無人化後も、備品類も色々と残されたままになっていたようです。例えば、机の引出しの中には書類があったり、切符を作成する時の駅名スタンプがあったりとか・・・。上の「トラベルフォトニュース 日本国有鉄道」の看板も、中に無造作に置かれていたものだそうです。
特に下のものを見た時は何で駅にこんなモノがと不思議な気分にさせられました。
畳敷きの休憩室の壁に何故かキリストの肖像画が・・・。
「多分、駅員さんにキリスト教の信者がいたのでしょうね」と米屋氏。
神棚には神社の御札も残り、西大塚駅では二つの神様が仲良く同居中です。
米屋氏は気さくなお人柄で、色々と楽しく話をさせていただきました。
「ここが面白いんですよ」
と案内されたポイントが、車寄せの駅名看板が掛かる漆喰の部分。
「おおーーっ!」
と味わいある造りに感心。
米屋氏はさらに
「これが隠れているのは惜しいから山形鉄道さんに駅名看板を掛ける場所変えてもらいたい」と…。
厚かましいながらも、同じ木造駅舎好きとして相通じるモノを感じました。
この写真展は2010年5月5日までです。
[2010年4月訪問] (山形県川西町)
(※西大塚駅の駅事務室など、内部の造りは
「気になる木造駅舎の内部、窓口の向こう側・西大塚駅」もどうぞ。)
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