晩秋の北海道、駅巡りの旅(2)~室蘭本線~

 北海道、秋の駅巡りの旅、2日目は室蘭本線の駅を中心に巡りました。北海道ワイド周遊券がある頃、室蘭本線は特急スーパー北斗、北斗で飛ばす事が多かったので、各駅停車で途中駅を巡るというのは意外と新鮮な感じがします。

ちょっと脇道にそれ、日高本線の勇払駅へ…

 ですが最初は室蘭本線ではなく、苫小牧駅から日高本線で一駅、前々から気になっていた勇払駅に立ち寄ってみました。

日高本線・勇払駅、草生し荒れたレール跡が残るホーム

 かつての工場への専用線も分岐した広い構内と側線跡は完全に草生し、今や島式ホームの1線のみ使われている状況です。ひっそりとしどこか地の果て感漂う不思議な駅ですが、少し駅から離れると、団地や住宅など意外と人が生活している雰囲気がありました。でも列車の本数は少ないので荒れ気味の駅はひっそりとしています。

JR日高本線、勇払駅、コンクリートブロック積みの駅舎

 勇払駅の駅舎は一部が2階建てになっているコンクリートのブロック積みの駅舎。現在では無人駅となっています。全盛期は2階で構内を行き交う貨物列車などを監視していたのでしょう。

木造駅舎に珍駅…、室蘭本線の興味深い駅を巡る

 勇払駅を訪れた後は室蘭本線に入り西に進みました。

室蘭本線・登別駅、腰壁の石造りが特徴的な木造駅舎

 そして登別駅で下車。特急が止まる駅で、内部は実情に合わせ改修されています。しかし、外観はハーフティンバーや石造りの腰壁が味わい深さ感じさせる洋風木造駅舎です。

JR北海道・室蘭本線、北吉原駅。奇抜な形の高架駅舎

 次に北吉原(きたよしはら)駅で下車しました。2面2線の橋上駅舎なのですが、SFチック、近未来的なものを感じさせる奇抜なデザイン。真ん中の高い所に、待合室や駅事務室が配されたのがまるで顔のようで、両側に左右対称に配された階段は手か翼のよう。宇宙人、奇怪生物のような不思議な外観。日本でもトップクラスの珍駅舎と言えるでしょう。

 駅舎は左右対称であるだけでなく、「南北対称」でもあります。写真は北側で空地が広がり、その背後には工場あるだけで裏口感漂います。反対の南側の方は国道36号線が線路に平行し、町や住宅もこちら側にあり、南側の方が元々の出入り口といった感じがします。

 写真向かって左、東側の階段は、外と駅舎を繋ぐ階段。西側の階段はホームと駅舎を繋ぐ階段です。つまりは1回登って、もう一度降りねばいけません。エレベーターやエスカレーターなんて気の利いたものはありません。

 しかし現在では柵が破損している箇所がいくつかあるためか、西側の階段は両方とも閉鎖され、東側の階段で兼用され、また外部から片方のホームのみだったら直接出入りできるようになっています。寂れた無人駅には修復するまでもなく、これで事足りるのでしょう…。

室蘭本線・北吉原駅、ホームから眺めるとホワイトベースのような珍駅舎

 ホームから駅舎を眺めると、どこか初代ガンダムに出てきた戦艦・ホワイトベースを連想させるいでたち。どこから眺めてもつくづく珍駅舎…。

JR北海道・室蘭本線、北吉原駅。高架の待合室内部

 有人駅だったので窓口の跡も残っていました。この北吉原駅、1965年(昭和40年)に大日本製紙(現・日本製紙)が工場に勤める従業員のために費用を全額負担して開設された駅で、道内初の橋上駅舎との事。橋上駅舎といえば近代的で無機質なイメージがあります。開業当初は人々の目に、これまでの古い駅舎と一線を画する現代的駅舎の内部を見てみると、そんな雰囲気も漂う中、その時代なりのレトロさも留めているのが興味深いです。

支線的な雰囲気のある、東室蘭-室蘭間へ

JR北海道・室蘭本線・東室蘭駅、キハ40と711系電車

 北吉原駅からは711系電車で東室蘭へ。そして室蘭行きの列車に乗り換え、母恋駅で下車しました。

JR北海道・室蘭本線、母恋駅。駅名標と秋に色づく紅葉

 母恋駅でもホーム上の紅葉が色づき、秋の深まりを実感しました。

 ちょっと変った駅名はアイヌ語の「ポクセイ・オ・イ」(「ホッキ貝のたくさんあるところ」)から来ていると言われていますが、当てられた漢字により入場券が人気で、母の日にプレゼントに人気との事。

そして母恋駅で最近注目されているものと言えば・・・。

室蘭本線、母恋駅の名物駅弁「母恋めし」

 駅弁「母恋めし」です。特にこの駅弁を意識しての訪問ではなかったのですが、運よく売店の閉店直前に合いました。室蘭駅や東室蘭駅でも販売しているのですが、やっぱり母恋駅で食べたいもの。次の列車が一時間後なので、誰もいない待合室でのんびりと食べました。駅名の由来の通り、近海で採れたホッキ貝の炊き込みご飯のおにぎりがこの駅ならではで嬉しいです。他に燻製たまご、スモークチーズが入った郷土色豊かな駅弁で、室蘭郷土料理コンクール最優秀賞を取ったのも納得です。

室蘭本線支線の終点・室蘭駅駅舎

 そしてレールが果てる室蘭駅へ。1997年までは明治45年築の洋風木造駅舎が現役でしたが、小奇麗な駅舎に建替えられました。

保存されている明治の洋風駅舎、室蘭駅旧駅舎

 駅は新築にともない現在地に移転されましたが、旧駅舎が元の場所に保存されています。周りを見回してもそれらしいものは見当たらず、まさか壊されたのかと焦りましたが、線路があったと思われる場所を辿り続けると古めかしい洋館が見えてきました。移転から10年経ち、さすがに旧線跡沿線はガラリと様変わりしていたようです。

明治45年築の室蘭駅旧駅舎、洋風の造りある木造駅舎

 明治45年築の室蘭駅の旧駅舎。1997年に登録有形文化財になりました。外観は昔の造りが再現されているのですが、内部は観光案内所や多目的ホールとして利用され、昔の面影は残っていなく、少し残念…。

旧室蘭駅舎、内部の鉄道用品展示室。駅名看板も…

 しかし広い内部の一角には、室蘭駅の備品などを展示したスペースになっていました。入口にはかつての駅名看板や大きな金庫などがあり、その他にも・・・

室蘭駅旧駅舎の鉄道用品、国鉄時代の鏡

「運転無事故500万粁達成記念鏡 1953.9.3 札幌鉄道管理局」と刻まれた鏡。

室蘭駅旧駅舎の鉄道用品、工部省のマーク入りの古いやかん

 工部省の「工」のマーク入りやかん。工部省は明治時代、鉄道建築など殖産興業を推進した官庁です。

室蘭駅旧駅舎の鉄道用品、動輪マーク入りの漆ケース。

 動輪マークと葉の紋章とその下に「室蘭駅」(右読みで駅は旧字)と標された漆塗りのケース。式典などかしこまった行事で使われたのでしょうか?

 などなど貴重な・・・、と言うか個人的に萌える昔の駅の備品などが色々と展示してあり、旧駅舎の姿とあわせ室蘭駅の歴史を感じる事ができました。

 そして特急すずらんに乗り南千歳駅で乗換え新千歳空港で下車し、JAL便で帰路につきました。


[2010年10月訪問]


前日のその1はこちらへ
富良野線、根室本線の駅巡り

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作者: Solano

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