写真と心の中に刻まれた、ある日の旅のワンシーン…
鉄道と列車、駅舎巡り、エアラインと言った乗り物系の他、旅で訪れた街の風景、気になるモノ、宿泊したホテルなんかも綴った旅行記ブログ。日本全国、たまに海外へ…
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前回の記事で「駅の窓口フェチ!?」を執筆しましたが、なんとも怪しげなタイトルをつけたものです(笑)
しかし、そうなってしまったのは、心に深い印象を残すような駅といくつも出会ってしまったからです。
JR西日本、可部線廃線区間内の水内駅。2003年の訪問。長方形のコンクリート駅舎で一見味わいが無いのですが、細部が洒落ているのが印象的な駅舎でした。
コンクリートの空間にあって、出札口の窓枠が木製なのが趣き感じさせます。手小荷物窓口など全体的に直線的なデザインですが、出札口上部の電灯が球形なのがアクセント。恐らく木造駅舎からコンクリート駅舎に時代が移り変った頃のものなのでしょうが、前時代の面影を残す過渡期的な造りが面白く、レトロで不思議な味わいを感じさせます。手小荷物窓口跡は例によって塞がれています。
JR西日本、山陰本線の湯里駅旧駅舎の窓口。2004年の訪問。無人駅となっていましたが、窓口がほぼ原形のまま残っていました。長年、使い込まれた〝味〟が浸み込こんだような渋さを漂わせています。手小荷物窓口跡のガラス窓には
「荷物取扱時間 8時00分から16時00分まで」
山陽新幹線岡山開業時のデスティネーションキャンペーン「レインボー山陰」のステッカーも渋いですね。
あとJR西日本・芸備線と伯備線の分岐駅の備中神代駅も印象的でした。
木造駅舎は取り壊されましたが、旧駅舎のふるめかしい車寄せが駅の門として残されています。車寄せの左側に簡易駅舎が設置されています。簡易駅舎で「どこに窓口が!?」とお思いでしょうが、待合室の奥に旧駅舎のものを流用したと思われる窓口跡がありました。
長年、使い込まれカウンターの木目が浮き出ているのが旧駅舎からの年月を感じます。壁の木材も使い込まれた感じがし、こちらも旧駅舎のものを流用したのかもしれません。旧駅舎の車寄せを流用した位だから、窓口や壁を流用する位の事はしそうです。きっと駅舎が建て替えられた後も、ここでしばらくは簡易委託か何かで、切符を売っていたのだろうなあと思いました。
しかし、帰って改めて写真を見てみると、窓口の下の床に光が差し込んでいるじゃないですか?!! その場では気づきませんでしたが、この窓口の向こうは壁1枚隔てただけで屋外のようです。う~ん…、どうやら窓口として使おうとしていたのではなく、飾りとして旧駅舎切符売場の部材を簡易駅舎の壁に移植しただけのようです。何とも酔狂!…というか、粋な事をしてくれるものです。
古い駅舎が取り壊されたという話を聞くと、レトロ駅舎好きな私とはいつも残念な気分になります。しかし、こうして旧駅舎の古く味わいのある部品が、歴史を伝えるように今も駅に残っていると、まだ救われる気分がします。こういう面白い取り組みがあちこちで広がってくれればいいのですが。
コメント
ちなみに、今は公園になっているので、跡形もありません。
2011-02-03 18:46 牡丹鍋 URL 編集
確かに車内から見ていても廃止区間の駅は古びた感じが目に付いた記憶があります。水内駅はたまたまフラっと降りた駅でした。数ある駅の中で水内駅を見る事ができたのは今思えば幸運でした。
今は跡地は公園になっているのですね。廃止されたので取り壊しは当然のなりゆきとは言え残念です。廃止区間の可部駅 - 旧河戸駅が復活されるそうなので、乗りに行った時に水内駅跡地も見に行こうと思います。
2011-03-01 21:02 solano URL 編集