肥薩線駅巡り、球磨川へ…そして大畑駅へ桜を追う旅

~駅・桜旅2012 肥薩線(1日目)~

球磨川沿いの木造駅舎を巡る

 今年の桜は、趣き深い木造駅舎が多く残る肥薩線で愉しもうと、新幹線を乗り継ぎ九州を目指しました。

 休みを取った日と桜の開花日が運良く合ったのですが、嵐のような春風が列島を襲い、桜が散らされてしまったのではないかと危惧していました。

 しかし、八代駅から肥薩線の列車に乗っていると、線路沿いに、駅に…、そして球磨川沿いに桜がきれいな花を咲かせ、車窓風景には次から次へと桜が飛び込んできました。

肥薩線、球磨川沿いの海路駅、桜と菜の花が花盛り

 球磨川沿い、海路駅停車中の一枚。桜はもちろん菜の花も翡翠色の球磨川の流れに春の趣きを添え、車内から思わず目を奪われてしまいました。

 そして最初の訪問駅、白石駅に到着しました。

肥薩線・白石駅、木造駅舎と丸ポスト

 木の質感が豊かな木造駅舎に、丸ポストがいい味を醸し出しています。造りは有名な嘉例川駅など、今に残る肥薩線の木造駅舎とほぼ同じです。しかし、同線内の並み居る有名駅のせいで、白石駅は存在感は何歩も引く感…。しかし、十分に名駅舎の風格を感じる印象深い佇まいで、穴場的な駅舎です。

肥薩線・白石駅、待合室の古い造り付けベンチ

 無人駅となり窓口跡こそ完全に塞がれていましたが、使い込まれた古い木造駅舎らしさはよく残していました。待合室の造り付け木製ベンチの木目が浮き出る程の使用感と、洒落た形状の脚が素晴らしく、あれこれアングルを変え夢中でシャッターを切り続けました。

肥薩線・白石駅、プラットホームの桜

 歴史感じる長いプラットホームの片隅に桜が立ち並び、駅を彩っています。九州は風のピークは過ぎたようですが、それでも強風の余波と雨のせいで、桜の季節とは思えない肌寒さです。

肥薩線、球磨川沿いの急峻な地にある瀬戸石駅

 白石駅から少し八代方面に戻り、瀬戸石駅で下車しました。今は駅舎さえ無い一ローカル駅なれど、はるか昔、鹿児島本線時代の威光を感じさせる長いホームがそのまま残っています。しかし端の部分はほとんど使われなくなり空地のようになり、菜の花が春を謳歌していました。

肥薩線・瀬戸石駅、ホーム上の古い木造待合室

 水害で2度も駅舎が流され、その後、再建される事はありませんでした。しかしホーム上の待合室は相当に年季が入っていて、他の肥薩線木造駅舎に劣らない趣きがあります。瀬戸石駅は駅正面に商店跡を思しき住宅や、峻険な球磨川を隔てた対岸に何軒かの民家がある程度の小さな集落で、秘境駅と言える雰囲気を漂わせています。そのため駅はとても閑散とした寂しげな雰囲気。1時間程の滞在時間で駅前を通った車は僅か2台。駅には私以外、人の姿を見る事にありませんでした。

肥薩線・一勝地駅、改修された木造駅舎

 そして駅名の「一勝」という響が手堅く力強く、縁起物切符の駅として有名な一勝地駅へ。駅舎にはリニューアルされていますが、軒を支える柱や天井など随所に木造駅舎らしい雰囲気を残しています。駅には球磨村の観光案内所が入居し切符の販売も行っています。いわゆる簡易委託駅という駅形態です。思えば簡易委託とは言え、肥薩線の木造駅舎が残る駅は無人駅ばかりで、一勝地駅は同線唯一の有人駅になります。16時8分発の特急くまがわ5号で発つ予定でしたが、強風の影響で十数分遅れました。そのお陰で20数分程度の滞在時間がちょっと延びて一勝地駅を余分に見る事ができました。

 16時45分頃、人吉駅に到着。ここで早朝の九州へ向かう新幹線車内で駅弁を食べて以来、ようやく食べ物を口にする事ができました。どこかの駅で何か食べられるだろうと油断し、何も用意していなかったのですが、下車駅の至近でお店を発見する事はできませんでした。

秘境駅・大畑、夕桜…夜桜…

 そして大畑駅へ。この駅には今まで2回訪問した事があるのですが、2回とも短時間しかいられず、今回初めてじっくりいる事ができるので楽しみにしていました。

肥薩線・大畑駅、矢岳越えの列車で賑わった構内の桜並木

 昔は難所・矢岳越えの列車で賑わった駅構内では、今の世の春、桜並木が賑わしていました。

 滞在時間と取れたとは言え、夜に差し掛かる時間帯です。大畑駅は周辺に家屋がほとんど無い山中の秘境駅として知られ、そんな所で夜に駅を離れ歩き回るのはさすがに不安で、駅からはほどんど離れなかったので、じっくり見られたのか消化不良なのかは、正直自分でもわからないような(笑)

肥薩線・大畑駅、月明かりで愉しむ秘境駅の夜桜

 誰もいない秘境駅、夜の帳が降りる頃、桜を浮かび上がらせるのは駅の僅かな照明と月明かりだけ…

肥薩線・大畑駅名物、駅舎に貼られた大量の定期券や名刺

 こんな人気の無さすぎる駅で、駅に灯りは点らなさそうだと思っていたら、いつの間にか待合室が明るくなっていました。大畑駅名物、待合室に旅行者が記念に貼り付けて言った大量の名刺や定期券が浮かび上がっていました。そして同じく点らないだろうと思っていた古い行燈式の駅名標まで明るくなりました。味わいある木造駅舎を背景に浮かぶ光景は、とてもノスタルジックで幻想的でした。

 だけどそれにしても寒かった!誰もいない夜の秘境駅で、寒さに震えながら人吉行きの列車を待ちました。


(※関連ページ: 駅と駅舎の旅写真館・大畑駅訪問記


 その日は人吉駅近くのホテルに泊まりました。翌日は肥薩線の一番列車で南下し、更に木造駅舎と桜の旅を楽しみました。


(⇒肥薩線、駅・桜旅の2日目はこちらへどうぞ!
肥薩線・矢岳駅より南へ…めくるめく名駅舎と桜を巡る旅』)

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作者: Solano

Solano

列車に乗って気ままに鉄道旅。
或る駅でふと降りて、駅舎や構内をあれこれ観察。そしてぶらぶら街歩き。
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日本全国、たまに海外へ…

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