木造駅舎が大改修された北府駅 (福井鉄道・福武線)

ソフトバンクモバイルCMに登場した味わい深い木造駅舎

 木造駅舎の改修が完了したばかりの福井鉄道・福武線の北府駅に行ってきました。

 北府駅と言えば古めかしい木造駅舎が残っている事が鉄道ファンには知られていました。この駅舎、老朽化が進み取り壊し予定でした。しかし、おとうさん犬の白戸家でお馴染みのソフトバンクモバイルのCMの舞台になった事で、味わい深い佇まいが広く知られるようになり、一転、昔ながらの雰囲気を残し大改修される事になりました。工事は2011年11月から約4ヶ月を掛けた大掛かりなものでした。

改名前、西武生時代の北府駅の木造駅舎

 改修前の北府駅の駅舎。駅名まだ西武生だった2008年11月訪問時の姿。2010年3月25日に北府駅と改称されました。

 大改修で、古色蒼然としたこの木造駅舎がどのように生まれ変わったかというと…

福井鉄道、改修が完了した北府駅の木造駅舎

 こちらです!きれいになり過ぎて、北府駅じゃないような気分を感じました。


 今年2012年3月に工事が完了、記念式典が行われ、ウェブ上でいくつかニュースの記事やブログを見ました。小さな写真でしか見られませんでしたが、昔の雰囲気を残したと言っても、まるで新築のようで、さすがに使い込まれたゆえの渋さというものは伝わってきませんでした。しかし、それゆえに新築同然の木造駅舎ってどんなものなのだろうかと興味を掻き立てられ、改修後間もないこの時期に見に行くしかないと思いました。また、以前の訪問で、駅前に桜の木があるのを知っていたので、桜が満開の時を狙って旅立ちました。

新築のように改修され活用される木造駅舎

 そして感想ですが…、想像以上、期待以上に素晴らしい出来で感嘆の連続でした。

福井鉄道、改修後の北府駅、駅舎ホーム側

 きれいになってもホーム側の雰囲気や佇まいまいはそのままで、どこか懐かしいものを感じました。

福井鉄道・北府駅、駅前から全体を見渡す

 駅前の道に出て、北府駅全体を見渡しました。福井鉄道の本社や車庫がある福鉄の拠点です。

 写真左側の駐車場は現在では県営のパークアンドライド駐車場ですが、かつてはこの場所に、木造洋風の福井鉄道の本社社屋が建っていました。古めかしく大きな木造建築は威厳を放っていたものです。本社社屋があったので、北府駅の駅舎は奥まった裏通りのような場所に位置する雰囲気でしたが、表通りからでもすっきりと見えるようになりました。

福井鉄道・北府駅、福鉄カラーの旧名古屋市営地下鉄名城線車両

 車庫の留置線には元名古屋市地下鉄名城線車両の福鉄カラーの車両が停車していました。古い駅舎と並べるように留置されているのが、心にくい演出。構内数ヶ所に駅名標風の説明看板が設置され、福井鉄道が北府駅を「福武線鉄道ミュージアム」として力を入れ整備しているのを感じます。

改修後の北府駅の木造駅舎、古い部材が残された部分

 全体的に漆喰や木の板など外壁は、真新しい材料に取り替えられ新築同様ですが、埋め込まれた木組みの柱、窓枠、出札口跡、待合室天井など、残せるものは極力残し改修したようで、新旧の質感の部分の差は歴然。新しい板の部分も、これから使い古された味わいが出て、木目が浮き出てくるのが楽しみです。

福井鉄道・北府駅の木造駅舎、改修前からある軒飾り

 駅舎ホーム側、軒の縁の波形の軒飾りは改修前からのもの。まぶしいような真新しい木材の部分との新旧の対比が素晴らしく映ります。

北府駅の木造駅舎、左側の売店跡部分??

 出入口横には売店跡と思しき部分があります。この部分の造りは以前から気になっていたのですが、塞いでいた板が外され、昔ながらの造りが保持されていました。こんな所までこだわるなんて、よくやってくれたなと思います。

福井鉄道・北府駅、駅舎改修後の待合室

 待合室はレトロな雰囲気を大切にきれいに改修されましたが、切符売場や改札窓口のあたりが昔のままの造りなのが目を見張ります。

北府駅の木造駅舎、切符売場下のショーウィンドウ

 出札口の下部はショーウィンドウになっていて、中には「たばこ販売中」という色褪せた貼紙が残ったまま。売店と兼業していた時期があったのでしょう。

福井鉄道・北府駅、ミニ博物館のようになった旧駅事務室跡

 待合室の奥にある旧駅事務室は、壁がくり抜かれ、通路で繋げられました。そして旧駅事務室は大改装され、福井鉄道の歴史を紹介した展示や以前使われていた鉄道用品が展示されていました。駅舎も含めミニ鉄道博物館の趣きで、上手く活用していると思いました。

北府駅の駅事務室だった展示室、タブレット閉塞機

 タブレットを収めた通票閉塞機。木製の台も年季が入っています。左側のものには、油性ペンで「村国」と書かれています。村国駅は廃線となった福井鉄道南越線の駅で、起点の社武生駅から4駅目の駅でした。2駅目の福武口駅との間に、北府(きたごう)駅がありましが、現在の北府(きたご)駅とは別の駅で、200メートルほど東にありました。通票閉塞機は両隣の駅までの路線を管理するために、1つの駅に2個置かれていたので、この村国と書かれた通票閉塞機は、南越線の北府駅で使われていたものなのかもしれません。

福井鉄道、「汽笛」の古い鉄道標識

 通票閉塞機の隣に展示されていた、この「汽笛」の標識に魅かれました。汽笛という懐かしい響きと、洒落たレトロな鉄道字体が素敵!

福井鉄道・福武線。春で桜爛漫、北府駅の木造駅舎

 そして桜爛漫。

 長年の歴史を感じる造りは垣間見せたものの、やはり新築同然に生まれ変わり、使い込まれたゆえの渋さはリセットされた感。しかし、年月を経るたびに、再び古さゆえの趣きを再び少しづつまとってゆく…、そんな様子を見守っていくのも楽しみな駅です。私の生涯で、春夏秋冬、あと10回位は北府駅を訪れるかも…?ふとそう思いました。

 今後、駅舎を国の登録有形文化財にするのを目指すとの事です。


[2012年4月訪問] (福井県越前市)

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作者: Solano

Solano

列車に乗って気ままに鉄道旅。
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