浜寺公園駅の今~2013年1月、ある夜の日…~

建て替えられる明治の木造駅舎

 先日、南海電鉄の浜寺公園駅に行ってきました。

 浜寺公園駅は明治40年(1907年)築の洋風木造駅舎がいまだ健在な事でよく知られています。しかし南海本線本線の連続立体交差事業、いわゆる高架化のため、駅舎の今後が論議されてきて、高架化された駅の正面に移築・保存される事になりました。
(※参考ページ、堺市「浜寺公園駅及び諏訪ノ森駅 駅舎保存活用構想」)

愛される駅舎、南海電鉄・浜寺公園駅

南海電鉄本線・浜寺公園駅。駅舎を背景に記念撮影したくなる瀟洒な木造駅舎。(2010年11月撮影)

 価値を省みられる事無く取り壊される古い駅舎が多い中、こういう結論に至った事はとても嬉しい事です。とは言え、高架化ともなれば周りの風景も含め、ガラリと変わってしまうと思われます。私は、背後にコンクリートの高架が立ちはだかる風景は、この趣き深い洋風駅舎にはきっと似合わないんだろうなぁと思い、やはり今の姿を目に焼き付けておきたいという思いを強くしています。

初めて夜に訪問してみた

 紀勢本線駅巡りの旅の前日、時間を取る事ができ、予定より早く宿泊地の大阪市に入る事ができました。そこで、浜寺公園駅の事をふと思い出し、夜はどんなふうなのだろうと、訪れてみる事にしました。

夜の浜寺公園駅、駅舎から見る街並み

 到着したのは夜6時過ぎで、冬のこの時期、すっかり暗くなっていました。何度かこの駅に訪れていますが、暗い時間帯に訪れたのは初めて。列車を降りて改札口の向こうに、徳利のような形をした瀟洒な車寄せの柱を見た瞬間、気分は一気に盛り上がります。

 どの程度、工事、もしくはその準備が進んでいるのかと気にしていたのですが、駅舎を含め駅そのもににはまだ手は加えられていないようでした。

夜の浜寺公園駅、瀟洒な車寄せの造り

 そして正面にまわり駅舎を見渡しました。夜の闇の中で見ると、気品ある佇まいの駅舎は、日中とは違った幻想的なような、なまめかしいような不思議なムード溢れます。

浜寺公園駅から出てくる乗客

 浜寺公園駅は南海電鉄の中では、それほど乗降客が多い駅ではありません。列車が発着する度に十人位の乗客がぱらぱらと出てくる程度で、駅は閑散としています。でもこの駅舎とは反対側にも改札口はあるので、実際はもう少し乗客がいるのでしょうが。

駅舎建替えが迫り変貌する浜寺公園駅の駅前通り

 ここ数年で大きく変わったのはむしろ駅前です。特に駅から大通りまでの短い駅前通りの両側は、本格的な工事を前に、用地買収と区画整理が着々と進んでいます。2010年に来た時は、あちこちに更地が出始めていましたが、今回の訪問ではほとんどの建物が無くなっていて、風景は一変。高架化工事の日が刻一刻と迫っている事を実感しました。そして、道幅の拡張も、かなり進んでいたように思います。

 浜寺公園は、駅名の通り、大阪府民の憩いの場となっている広い公園があります。戦前までは海水浴場もある、大阪の一大リゾート地で、付近には別荘も多く建ちとても賑わったといいます。初めて訪問した2003年、狭い駅前通りの両側には、飲食店や菓子店の割合が目立ち、当時の名残を感じたものでした。きっと食事をしたり、帰りにお土産のお菓子を買っていったりと、遊びに来た人々で、駅前通りはとても繁盛したのでしょう。駅舎が保存される陰で、そんな時代の残り香がひっそりと失われていく様を目の当たりにすると、安堵の中にもどこか寂しさが混じるものです。


 名残惜しいですが浜寺公園駅を離れ、なんば方面に逆戻りし、大阪市内の今宵の宿へ。そして翌日からは紀伊半島の木造駅舎をぐるりと巡る旅に出ました。


[2013年(平成25年) 1月訪問] (大阪府堺市)

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作者: Solano

Solano

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