写真と心の中に刻まれた、ある日の旅のワンシーン…
鉄道と列車、駅舎巡り、エアラインと言った乗り物系の他、旅で訪れた街の風景、気になるモノ、宿泊したホテルなんかも綴った旅行記ブログ。日本全国、たまに海外へ…
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三国芦原線を中心に巡った翌日、勝山永平寺線に入りました。
登録有形文化財となっている木造駅舎は、駅開業の大正3年(1914年)以来のもの。2013年に往時の姿をとり戻すべく大改修され、まだ新築と見まごうばかりの姿です。
そんな勝山駅の駅舎内に、カフェがオープンしました。その名は「えち鉄CAFE」。
その名の通り、このカフェは何とえちぜん鉄道の直営!レトロで味わいのある駅舎の中にカフェができるという事自体、とても興味深いのですが、まさか小さな第三セクター鉄道が自ら手がけるとは…。
周辺を一通り見ると、早速、えち鉄CAFEに入店しました。
えち鉄CAFE店内は渋い木の色をベースにしたレトロで落ち着いたムードです。
壁際の列車の発着風景が見られる席に陣取ると、早速メニューを見ました。いくつか取り揃えている中で「えち鉄ブレンド」なるコーヒーを注文しました。
えち鉄カフェの凄い所が、サイフォンというコーヒーを淹れる器具で、注文毎にコーヒーを作ってくれる事です。カフェ開店にあたり、わざわざ専門家にコーヒー作りを学んだとの事。コーヒーメーカという選択肢もあったと思うのですが、あえてサイフォンを選んだ点に、こだわりが感じられます。サイフォンの暖かな火の下、手間隙かけた作業を興味津々に見学させてもらいました。
そしてテーブルでサイフォンからコーヒーをついでくれます。
走り行く列車を眺めながら、ケーキと一緒においしく頂きました。
店内の一角には、かつて使われていたホーロー看板など、勝山駅の歴史を感じさせる鉄道用品が展示されていました。
勝山駅の歴史や昔の風景をとらえた写真も掲示され、興味深く眺めました。昔の姿と見比べると、現在では増築やバリアフリーの車椅子用のスロープなど、実情にあわせて改修されていますが、外観は概ね昔の姿をよく保っているよう。
改修中の様子を写した写真もありました。ほとんどの外壁を取り払い、一旦、ほぼ木枠や骨組みだけの状態にするほどの徹底した修復のようで、古い建物を使い継いでいくのは大変な事なのだと痛感させられました。そして、あえてそういう道を選択をしたえちぜん鉄道に拍手です。
天井はやたらと高く、照明の台座が残るレトロな造りの洋風の天井は創建当時からの造りでした。しかしその後、板を覆いかぶさられ、その造りは隠され、天井が低い状態になっていました。今回の改修でその板は取り払われ、往時の姿を取り戻したとの事です。
甦った大正の空間を味わいながら、2杯目のコーヒーを頂きました。
[2014年(平成26年) 11月訪問] (福井県勝山市)
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