写真と心の中に刻まれた、ある日の旅のワンシーン…
鉄道と列車、駅舎巡り、エアラインと言った乗り物系の他、旅で訪れた街の風景、気になるモノ、宿泊したホテルなんかも綴った旅行記ブログ。日本全国、たまに海外へ…
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この前書いた記事
「年齢は手や首に出ると言うけど、木造駅舎の場合は…」
の続きです。その内容をさくっと言っちゃえば、新築のように改修され若作りを装っている古い木造駅舎でも、軒や柱に年月は滲み出るよというお話でした。
もう少し、例をあげていきます。
JR東海・武豊線の半田駅です。一見、今時の平屋の駅舎ですが、1912年(明治42年)築。なんと明治の木造駅舎!
駅舎左横屋外のかつては降車用の改札口があったと思われる部分。昔は木のラッチが並んでいたのでしょう…。今では銀行のATMコーナーと化していますが、上屋や支える柱は古い木製のもの。下部が補強されていますが、古いものが引き続き使われています。
柱にはさりげなくしゃれた洋風の装飾が施されています。もしかしたら1回位は交換されているかもしれませんが、歴史感じさせる造りです。
武豊線と言えば、愛知県下初の鉄道路線で、半田駅の跨線橋やレンガ製のランプ小屋、現役最古とされる亀崎駅の駅舎が有名ですが、半田駅のこんな所にも歴史感じさせるモノがひっそりと残っていたとは驚きです。
今度はJR西日本・関西本線と草津線の乗換駅の柘植駅です。古く素朴な造りを残した木造駅舎で、植栽が美しい池庭跡も、昔ながらの駅の味わいを添えています。しかし外壁は新しい板に取り替えられ、古い木造駅舎らしい年季の入り方ははいまひとつというのが第一印象です。
しかし、この車寄せ部分をよく見ると、溢れ出る木の質感に圧倒されます。厚く塗られたペンキ越しに幾重もの木目が浮かび上がっています。
こちらはJR東日本・奥羽本線、津軽新城駅です。降り立って眺めてみた時の第一印象は、改修され水色と白のストライプが入っていて古き良き趣は…。ですが、駅開業の1894年(明治27年)築という、とてつもなく古い木造駅舎です。何と先に挙げた半田駅より18年も古い駅舎。
この駅のホーム側の軒を支える柱が、いい味わいを放っていました。
あと津軽新城駅には、待合室に丸太の大黒柱が力強く打ち込まれています。120年以上もの間、降り積もる雪から駅を支える要となっていたのでしょう。
最後にJR西日本・津山線の玉柏駅です。この駅舎は元々、もっと大きかったのですが、左側約半分が取り壊され、半分の大きさに減築されました。しかし取り壊し部分の軒は再現され、古き良き木造駅舎らしい雰囲気に仕上げられたユニークな駅舎として知られています。
屋根や柱の木材は、昔からの造りが残され、改修駅舎とは言え、駅の歴史を感じさせました。
駅舎左側…、減築された側を見てみると、新しい木材で屋根や柱が組み上げられていました。木材の縁は鋭く、面はつるつる。切り出されたばかりの木の香りが漂ってきそうな真新しさをまだ残しています。古い部分との差は歴然。かつてはどの木造駅舎もこんな風だったんだなと、あまたの木造駅舎の出来たばかりの姿を想像していました。
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