写真と心の中に刻まれた、ある日の旅のワンシーン…
鉄道と列車、駅舎巡り、エアラインと言った乗り物系の他、旅で訪れた街の風景、気になるモノ、宿泊したホテルなんかも綴った旅行記ブログ。日本全国、たまに海外へ…
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クロアチア第二の都市、ダルマチア地方の中心都市・スプリトで、世界遺産にも登録された旧市街の史跡を見つつ、街歩きを楽しんでいました。
地図を見ると、旧市街を囲む城壁の北側は公園となっているようです。近年は、街歩きでふと見つけた公園で一休みする事も旅の楽しみとなりつつあるので、休憩にと行ってみる事にしました。
公園は小さいですが、観光客で賑わう旧市街の雑踏から逃れられ木陰に入って休むと、ホッとする心地です。ヨーロッパでも南寄りにあるスプリトは、太陽が容赦なく照りつけますが、木陰の下はとても涼しく、そよかぜが吹き抜ける下に少しいれば、暑さは嘘のように引いていきます。
周囲を見回すと、公園の一角の歩道で露店が並んでいるのが目に入りました。
火照りが和らぎ、何だろうと見に行ってみると、蚤の市でした。規模はざっと見たところ10ちょっとと小規模です。
蚤の市とか野外マーケットを見て回るのはとても好きで、訪問地であるのを知れば、大抵見に行っています。この蚤の市は小規模なのもあって、一軒一軒じっくり見て歩きました、
すると、人形や置物、小物がごちゃごちゃに置かれた中から、小さな日本人形があるのを発見しました。雪だるまみたいな形をした手のひらに乗る小さな木製人形で、髪を結って着物を着ています。何となく見ていると、お内裏様かなと思えます。蚤の市に日本の物がある事自体は、珍しくないのですが、こうして日本の物を見ると嬉しく感じます。
その人形が気でなって手に取ってみました。すると人形の背面に、意外な事が書かれていました…。
そこには日本航空のシンボルマーク・鶴丸が描かれ、その前にはflyという文字が添えられ、「fly JAL」と書かれいたのでした。今回の旅でもお世話になっているJALのものが、何故こんな所に? 意外な発見に嬉しく思いました。しかも、不鮮明ながら、このJALという文字が細く、斜体がより入ってるのが解り、この鶴丸は現バージョンではなく旧バージョンと思われます。
値段はたいして高くなかったので、買いました。
帰ってからネットでfly JALというキャッチフレーズとこのロゴを調べると、1960年代のJALで配られたギブアウェイに標されたロゴであるらしい事を知りました。たぶんその頃のJALのロゴだったのでしょう。
ギブアウェイとは搭乗客に無料で配られる記念品で、子供向けのものは子連れの搭乗客に盛んに配られますし、私もボストンからJALのB787に乗った時、B787の小さな模型を頂いた事もあります。
そう考えると、たぶん1960年代のJALのフライトで、搭乗客に配られたギブアウェイと察せられます。ただ、ファーストクラスの搭乗客限定が、子供向けなど、どういった搭乗客に配られたかは解りません。でも、誰であっても、こんな可愛らしい日本人形は、外国人の方には特に喜ばれたに違いありません。
そして、この人形は持ち主の手を離れ、時の流れを経て、こうしてスプリットの蚤の市に並んだのでしょう。
小さくシンプルながらも梅柄の蓬色の着物が和の雰囲気に溢れます。たぶんお内裏様ですが、このずんぐりむっくりとした体形は、色を塗り替えればお相撲さんとしても使えそうです(笑) 髷もありますし。
ふと思ったのがお内裏様があるという事は、お姫様も存在していたのでは…。もしかしたら、むしろ2体で1組だったのかもしれません。製品の造りと雰囲気からして高価なものでは無さそうなので、大量に作られたのかもしれません。だとすれば、意外と簡単に片割れが見つかるかもしれません。でもやっぱり、気が遠くなりそうな確率で、これからの旅で見つけられるのかどうか…
今後、ヨーロッパなど海外の蚤の市を見に行く時は、この人形の相方を探すのがテーマになりそうです。
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