写真と心の中に刻まれた、ある日の旅のワンシーン…
鉄道と列車、駅舎巡り、エアラインと言った乗り物系の他、旅で訪れた街の風景、気になるモノ、宿泊したホテルなんかも綴った旅行記ブログ。日本全国、たまに海外へ…
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(※ここまでの道のりは 前編のルワンダ・ゴリラトレッキング(1) をどうぞご覧下さい。)
抑止時間も含め約4時間、ゴリラトレッキング一行はルワンダのヴォルカン国立公園のマウンテンゴリラ棲息地を目指しました。そして、ある地点で荷物と杖を置きポーターに託し、撮影機材のみを手に、更に深い木々を掻き分けるように道を上りました。
列は進み始めたと思ったら、すぐに止まってしまいました。私は何で動かないのか訝しく思い、何があったのか確かめようと、止まった列の先に入り込むように進んでみまました。すると、少しだけ開けた場所を見てみると…
目の前にマウンテンゴリラが居るのが目に入ってきました!ヴォルカン国立公園に生きるマウンテンゴリラの群れの1つ・AGASYA(アガシャ)グループのゴリラ達が、今、目の前にいます。私達は時折、出発前のブリーフィングで習ったゴリラとのコミュニケーション言語「ン゛ン゛ン゛~」を挨拶するように唸りながら、カメラやビデオを構えています。
背中に白い毛が混じるマウンテンゴリラの雄の成獣…、いわゆるシルバーバックと、その横に子ゴリラがいました。雄のシルバーバックは群に基本的に1頭で、群の中心となります。
少し上の斜面ではゴロゴロと昼寝をしているゴリラが。
そして竹の上にはぬいぐるみのような小さなゴリラの赤ちゃんが母親と共にいました。可愛い~!!降りてこないかな。母親が昼寝をしていて退屈なのか、ゴソゴソ動き回っていました。
シルバーバッグを中心に、すぐ側に子ゴリラ、奥の竹の上に母子、少し上の斜面に昼寝中のゴリラ、そして私とシルバーバックの間にも昼寝をしているゴリラと、私達の眼前7,8平方メートル程度の所に6匹のマウンテンゴリラがいます。休息時間のようで、みんなのんびりだらだらとしています。
シルバーバックと私の間…、今最も私の近くにいるゴリラ。その距離、3mもありません。ゴリラはうとうとしながら薄目で私をチラリと見ました。
『ZZZZ..zz...Z..』
『..Z...ん、お前誰だょ…?』
『なんか気になるよなぁ、もう…zzz』
ゴリラトレッキング一行のざわめきで、少し上で寝ていたゴリラがいつの間にか目を覚ましたようです。
『いい気持ちで寝てたのにさぁ…』
完全に目が覚めて起き上がりました。
『(ムシャクシャ…×××!)』
なんか表情が険しいような…。
『ウガァーっ!!』
一瞬にして参加者は驚いてたじろいた空気に支配されましたが、ガイドさんに大丈夫となだめられるとみんな落ち着きを取り戻してました。
『まあ、いっか…』
参加者は皆口々に「ン゛ン゛ン゛~」「ン゛ン゛~」「ン゛ン゛~」「ン゛ン゛ン゛ン゛~」と、ゴリラ語でなだめようとします。私たちは敵じゃないよと…。ゴリラは座るとじっとし、落ちついてくれたと思いましたが…
『やっぱり、オラァあああーっ!』
「ン゛ン゛ン゛~!」「ン゛ン゛ン゛~!」「ン゛ン゛~」「ン゛ン゛ン゛ン゛~」「ン゛ン゛~!」「ン゛ン゛ン゛ン゛~」「ン゛ン゛ン゛~」「ン゛ン゛~!」
『ふう…、お前らしょうがないな…』
すぐに鎮まってくれ、その後は威嚇される事はありませんでした。私たちが敵かどうか試していたのかもしれません。でもくつろいでいる所に踏み入ってしまった訳なので、機嫌を損ねてしまうのも無理はありません。ゴリラさん、少しの間だけ許してくださいね。
山林の奥の方からビシバシと枝を踏み倒すような音が聞こえてきました。何事かと音の方に振り向くと、木々の奥からうごめく黒いものが見えてきました。別のゴリラがこの群に帰ってきたようです。
私達を威嚇してきたあのゴリラが、そのゴリラに近寄っていきました。
『行こっか』
『うん』
それに触発されたかのように、中心にいたシルバーバックと、先程私の近くで寝転がっていたゴリラも立ち上がり後に続いて山林の中に入っていきました。
そして、あの母ゴリラも竹の上から降りてきて、私達の目の前を横切り後に続きました。赤ちゃんゴリラは母の背中にしっかりしがみついていました。本当にちっちゃい!だっこしたい!
ガイドが捕食の時間だと教えてくれ、私達もゴリラの後に続き山林の中に入っていきました。
『ウマイウマイ…』
食事中のシルバーバッグ。そのへんの草を拾ったり毟ったりしながら、ひたすら食べています。ゴリラはその風体に似ず、草食動物です。
「ああ!後ろ、後ろ!」
子ゴリラが参加者の真後ろを歩いています。まるで私もゴリラトレッキングをエンジョイしていますとばかりの風情(笑) そのためか後ろを歩かれたご当人は気付かずじまい。一瞬の出来事でしたが、子ゴリラは好奇心旺盛というか物怖じしないみたいですね。
頭上でザクザク音がし見上げてみると、竹の上に登って、笹を食べているゴリラもいました。しばらくして降りてきて、どこかに行ってしまいました。
ゴリラ達が木々を掻き分け更に山深くに進み、私達から遠ざかりつつあるなと思った頃に、規定の1時間となり見学は終了。ゴリラの余韻をかみ締めつつ、元来た道を下山しました。
行きと同じように、帰路で子供達が興味津々に近寄ってきては見送ってくれました。子供の可愛らしさと、ゴリラに会えた嬉しさが入り混じり、子供に「muraho!(こんにちは!)」と挨拶する私達ゴリラトレッキング参加者の声は、より晴れがましさと喜びがこもったものになっていたました。
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