写真と心の中に刻まれた、ある日の旅のワンシーン…
鉄道と列車、駅舎巡り、エアラインと言った乗り物系の他、旅で訪れた街の風景、気になるモノ、宿泊したホテルなんかも綴った旅行記ブログ。日本全国、たまに海外へ…
※ 現在、一部の記事をメインサイトに移転する作業を進めています。
標津線の奥行臼駅跡に行きたくて、標津線との接続駅だった根室本線の厚床駅に降り立ちました。タクシーをアテにしていたのですが、1台もいないという予想外の事態で、どうしようかと途方に暮れ、駅をうろうろしていました。
かつての駅窓口だったバス案内窓口を見ると、根室‐中標津空港間のバスが、途中のバス停での乗降も取り扱うようになったという記述がありました。時刻表を見てみると、奥行臼にも停まる事がわかり、何と20分後に中標津空港行きのバスがあるじゃないですか!いや~ラッキーでした。
そして、やってきた空港行きのマイクロバスに乗ること十数分、奥行臼に到着しました。
バスを降り少し歩くと、奥行臼駅跡を発見しました。奥行臼駅は厚床駅から一駅目の駅で、廃線後も駅舎、倉庫やホームなど、当時の姿のままに保存され、別海町指定有形文化財となっています。
標津線は1989年の4月をもって廃線となり、廃止直前の冬に乗車する事ができました。奥行臼駅には、残念ながら現役時代に下車する事はありませんでした。しかし1990年代に北海道を自転車で旅した時に立ち寄り、今にでも列車がやって来そうなほど、そのままの姿を留めていたのが今でも印象深く残っています。
その時以来の訪問で、じっくりと見られると楽しみにしていたのですが…、駅跡一帯が深い雪で埋もれていて接近不可能な状態orz 観光客が押し寄せる有名なスポットでもないので、真冬の訪問者は想定してなく除雪をしていていなかったのでしょう。
それでも遠目から雪原の向こうにある奥行臼駅跡一帯を眺めました。今でこそ一帯は雪で覆われていますが、駅へと続く道の脇には、かつて商店や家屋などが並んでいたのかもしれません…
駅跡には木造駅舎をはじめ、小屋などいくつもの木造建築物が建ち並んでいます。
その中心に建つのが木造駅舎…、駅本屋です。ズームいっぱいにしたレンズ越しに眺めました。現役時さながらの味のある風情が保たれているのは遠目でも解りますが、モニター越しに撮影した画像を見ると、木の壁は古びた質感溢れています。一方で、古さと傷みも進んでいて、長年厳しい風雪に耐え続けた壮絶ささえも感じました。町の歴史を伝える文化財として、末永く大切にしてほしいものです。
駅本屋右側の木造建築物。右奥の大きい方は詰所でしょうか? 手前の左側の方は、側面が大きく開いた造りになっています。保線用車両など小さな車両の収納に良さそうな大きさです。側線がここまで延びていたのかもしれません。
駅本屋から少し離れた左側にも小さな木造の小屋が立っていました。奥行臼駅の他の木造建築とはちょっと違った造りのこの小屋は、何と駅職員用の風呂場!同じ標津線の春別駅から移築されたとの事ですが、この奥行臼駅の風景の中で違和感無くなじんでいます。
駅跡北側の標津線廃線跡の真上に奥行臼駅バス停が設置され、標津線代替バスや根室中標津空港行きのバスが停車します。
雪で完全に覆われていますが、レールやプラットホームも残されています。遠目からでも楽しめ訪れて後悔はまったくありませんでした。ですが今度は雪の無い時に訪れ、昔ながらの駅の風情をもっと身近に堪能したいものです。
コメント