写真と心の中に刻まれた、ある日の旅のワンシーン…
鉄道と列車、駅舎巡り、エアラインと言った乗り物系の他、旅で訪れた街の風景、気になるモノ、宿泊したホテルなんかも綴った旅行記ブログ。日本全国、たまに海外へ…
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そこそこの規模の駅になると、駅の中に小さな売店があるのが一般的で、JRで言うならキオスクのような存在で、私も旅行中はよくお世話になっています。
しかし名鉄のローカル区間の一部では、「構内売店」と称する駅売店が、駅の外に別棟であるの何回か見た事があります。
写真は吉良吉田駅隣接の構内売店です。この駅は西尾線、蒲郡線の接続駅で、そして三河線の碧南-吉良吉田間が廃止されるまでは、3線が交わる要衝駅でした。
名鉄のこのような構内売店は、ホームや駅舎内にある駅売店とは趣を異にしていて、ローカル線駅前にある個人商店のような風情です。「名鉄指定構内売店」と掲げられていて、名鉄との関わりを感じさせます。しかし「指定」と掲げられているのは、名鉄直営ではなく、外部の会社や個人が公認を受け、駅売店として営業しているからなのでしょう。
店舗正面に「味自慢 2分 うどん」「高級みやげ」「えびせんべい」と掲げられているのが庶民的な商店の雰囲気。「関東煮」と掲げられている通り、保温機に入ったおでんがホクホクと湯気を上げていました。小さなカウンターもあり、店内でおでんを食べたり、コーヒーを飲んだりする事もできたようです。
三河線には、吉良吉田駅の他に、廃止区間にあった三河一色駅の横にも、構内売店があったと記憶しています。また、蒲郡線の西幡豆駅の駅前には、構内売店と掲げられた小さな店舗跡の建物が残っています。
どちらの駅構内売店も、どこか昭和の香りを残したレトロな雰囲気に満ち溢れ、魅かれるモノがありました。
だけど、先日、蒲郡線に乗りに行き吉良吉田駅で下車したときあの構内売店が跡形も無く無くなっているのに気づきました。「ホクホクのおでんを食べたかったなあ~」。寒空の下、もう叶わない願いを想像し、失われた風景を偲びました。
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