写真と心の中に刻まれた、ある日の旅のワンシーン…
鉄道と列車、駅舎巡り、エアラインと言った乗り物系の他、旅で訪れた街の風景、気になるモノ、宿泊したホテルなんかも綴った旅行記ブログ。日本全国、たまに海外へ…
※ 現在、一部の記事をメインサイトに移転する作業を進めています。
鉄道旅行に特化した地図
レールウェイマップル
が地図や旅行ガイドブックで有名な昭文社から発売となりました。
「北海道」「東北」「関東」「中部」「関西」「中国・四国」「九州」の7冊同時発です。
以前から鉄道旅行に向いた地図は無いかなと思い続けて、かつてこのブログで長々と論じた事もあります。
『鉄道旅行に適した地図は…?(前編)(2008,11/2)・後編(2008,12/5)』
あーだこうだとだらだと無駄に述べた駄文なので、あえて上記の記事をお読みいただく必要は無いとは思います(笑) なので、下に要約をまとめておきました。
鉄道旅行に向いた市販の地図というのはなかなか無く、観光地図や道路地図などを代用したものですが、まあこんな地図だったらいいかなと…
鉄道ブームと言われる昨今、鉄道旅行を謳った地図がいくつも出版されました。下記に上げる2つはその中でも出来がいいと思います。しかし、必ずしも自分にとってベストではありません…。
特に「日本鉄道旅行地図帳」は各版合計で140万部を越える大ヒットとなりました。
レールウェイマップルは最後発となり、どんな鉄道旅行地図になってるか楽しみにしていました。最初に中部版を買ったのですが…、第一印象としては配色やデザインが良く見やすいと感じました。鉄道地図として全旅客路線、全駅の掲載はあたりまえ。地図上に鉄道関連施設などの解説が書かれていたり、列車交換可能駅、硬券入場券発売駅など多くの記号や情報が詰め込まれ、ごちゃごちゃする場面もあるのですが、それほど見辛くならず、デザインやレイアウトをよく考えてあると思います。地形は立体的な表記です。その他、レールウェイマップルのいい点、欠点を箇条書きにしていくと・・・
上で挙げたように理想的な大きさ。29万分の1のちず鉄と数値は大差無いように思えますが、けっこう違ってきます。(※レールウェイマップル北海道版は30万分の1。)
持ち運びに苦にならないぎりぎりのサイズ。縮尺を大きくしつつコンパクトすると、地図のぶつ切り感が強くなり、かえって見づらくなるデメリットも。例えば同じく昭文社刊のツーリングマップルとか・・・。両者の兼ね合いを考慮すると、25万分の1の大きさでB5サイズは、絶妙な落としどころだったのかもしれません。
東京、大阪など大都市圏はもちろん、富山市など地方路線の詳細図も載っています。近江鉄道、上田電鉄、紀州鉄道など、地方ローカル線沿線の詳細地図が載っているところは、さすが鉄道旅行地図を名乗るだけの事はあります。
長年、地図出版に携わってきた昭文社の経験が活かされていると思いました。縮尺は更に小さくなりますが、鉄道が無い沖縄の離島もしっかり掲載されています。地図を見るのが好きな人は、鉄道という要素以外でも楽しめるのではと思います。
バス路線は鉄道網以上に細かく、さすがに参考程度なのでしょうが。地図を眺めて、鉄道が無い地域のバス路線を見ると、「何駅からこのバスに乗って海沿いの集落まで行ってみると・・・」と、まだ見ぬ地への空想旅行に魅かれる事もしばしば(笑)
地図としての出来を重視していたので、これには魅かれなかったのですが、便利そうです。各駅毎に駅ナンバーが振られ、昭文社のガイド・地図情報の携帯サイトの「ケータイップル」の「駅から探す」コーナーに駅ナンバーを入力すると、駅の周辺情報が表示されます。例えば地図、名所、お店、ホテルなどなど・・・。地図は携帯画面では見辛いながらも、詳細な地図も選択でき、急に駅間徒歩を思い立った時に役に立ちそうです。
何と言ってもこれが残念!レールウェイマップルではちず鉄より更に退化して1984年4月1日以降の掲載。記載されている廃線跡は上手く表示されているだけに、こんな感じで記載されてればと返す返す残念。対象外の廃線跡でも、有名な残存構造物は地図上に記載されているのですが、廃線跡がトレースされていないと、ピンときません。最低限、旅客線の廃線・未成線、現存線の旧線跡と廃駅は完全に記載してほしいです。さらに貨物線、専用線など、より多くの廃線も掲載してあれば素晴らしいです。
中部版と関西版で例えると、中部版が西は大阪、京都、舞鶴あたりまでカバーしていて、関西版では東は三重県、岐阜南部、名古屋市、知多半島あたりもカバーしています。広い範囲をカバーしていて、無駄に何冊も持ち出す必要が無く、親切な編集と言えるとは思います。だけどダブっている部分を減らして、薄型化にこだわっても良かったように思います。
巻頭に「鉄道遺産」「車両基地・工場」「博物館」「温泉・足湯」「橋梁」「峠と難所」「中部の駅百選」など、テーマ別記事があるのですが、それぞれボリュームが少なく中途半端で、これなら無くてもと思うものがあります。まあ写真グラフとして捉えれば、こんなものなのでしょうが…。例えば「車両基地・工場」では数施設しか紹介されていません。どうせなら、全部の車両基地をリストでいいので紹介して、索引的な性格も持たせ、辞書的に地図にアプローチできた方が面白いと思います。むしろそれとは反対に、いっその事、中途半端な写真グラフや索引のページをなくして、地図上に記載するだけで、調べたければ自分でネット検索してねというスタンスでも全然いいと思います。
レールウェイマップルの満足度は、廃線跡・未成線の表記での減点が大きいですが、それ以外ではとても概ね満足しているので、100点満点で点数を付けるなら80点と言った所です。出版社が大手なので、そこそこ売れれば、いつかは改訂版を出してくれそうです。その時に色々と改善されていれば嬉しいです。
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