高山本線・古井駅の木造駅舎改築の噂を聞き、現地に行ってみた

まもなく古井駅が取り壊される!?

 岐阜県美濃加茂市にある、JR東海・高山本線、古井駅の木造駅舎が改築になるという話をツイッター上でキャッチしました。古井駅は駅舎巡りの旅を始めて、初期の方に訪れた駅の一つで、私にとって忘れられない思い入れのある駅です。そんな駅舎が消えてなくなるのは、やはり寂しい思いでいっぱいになります…。

取り壊し!?JR東海・高山本線・古井駅、大正築の木造駅舎

他の方の、古井駅建て替えに関する、ツイッターやブログの投稿も…

古井駅、駅舎よさようなら


 さて、駅舎の改築・取壊しが近いとなると、何らかの公式発表やそれに近いものが出てきたりするものなのですが、8月2日現在、それも無いようです。

 だったら、日帰り圏内なので自分で現地に行って確認しようと思いました。掲示物か何かが貼り出されているかもしれません。

実際に、古井駅に行ってると…

 仕事が予想外に早く終わり、急に思い立って古井駅に行ってみようと思いました。(そのため今回の撮影はすべてスマホのカメラで済ませました。)

JR東海・高山本線、古井駅、下りプラットホーム

 古井駅に着いたのは午後5時。遅くなりましたが、真夏なのでまだ空は明るく助かります。

 下りホームのこのゆとりある空間に、かつては背後に何本も桜の木が植えられ、春は満開の桜で鮮やかに彩られていました。しかし、現在は年老いた木1本を残し、全て伐採されていました。他の方の写真で知ってはいたのですが、こうして目の当たりにすると寂しいものです…。

 それにして下りホームのスペースは、まるで空地のようで駅っぽくなく、いつ見てもインパクトが大きいです。かつてはホームだったのを埋め立てて生じたのでしょうか…?

JR東海・高山本線、古井駅のプラットホームを見下ろす

 跨線橋を渡り駅舎へ。柵が低く屋根も無く、駅全景が一望の下に…。こういう解放的な跨線橋っていいですね。

古井駅の木造駅舎、無人駅となり塞がれた窓口跡

 駅舎の内部に到達しました。かつて2回、訪れた時は、委託の駅員さんがいたのですが、現在では無人駅となり窓口は塞がれています。

 掲示物の中に、駅舎改築を予告する貼紙が無いか、待合室の内部を探します。改築工事前に は、大抵、工事の概要、期間、工事中の仮駅舎や動線の見取り図などを告知した紙が貼り出されるのですが、そのようなものはありませんでした。

古井駅、大正11年築の90歳越えの木造駅舎

 古井駅の木造駅舎は、開業の1922年(大正11年)以来という、築90年を越えたとても古い駅舎です。サッシ窓に変えられたりあちこち改修されていますが、それでも昔のままの素朴さをよく残しています。白く塗られていますが、この駅舎には不思議とその白さが似合い、味わい深く映ります。

JR東海・古井駅、大正の木造駅舎車寄せの裏側

 車寄せは昔のままの造りをそのまま残しています。

 
あれこれ撮影していると、車寄せの近くに駐車していた男性のご老人が
「よく撮っときなさいね。もうすぐ無くなっちゃうから。」
と、車内から話し掛けてきました。
「やっぱりそうなんですか?インターネットで、もうすぐ古井駅の駅舎が取り壊されると聞いて来たのですが。」
「通るだけのもっと小さな駅舎になるよ。」と…。

 会話の中で、何げに
「もうすぐ取壊されるのに発表が無いですね。」
と言うと、
「そりゃそうだ。言えない事情があるからね…」
と、非常に気になる事をおっしゃいました。

 え・・・!! どういう事!?と思い、その理由を聞いてみました。すると
「この駅は、学生の利用が多く、時には1列車で100人以上の学生が集中する事も。そうなると、通路でしかなくなる小さな駅舎では、雨宿りの場所が無くなり、抗議が来て対応を迫られるから、それを渋って発表できない云々…」
う~ん…、真偽の程は測りかねますが、驚かされました。

 現状では下りホームは、短い上屋とその下に8脚のベンチがある待合所があるだけですが、上りホームは駅舎内に待合室があり、駅舎ホーム側には10メートル弱の軒が取り付けられています。小さな簡易駅舎になり、軒も無くなると、確かに大勢の学生が弾き出され、雨が降ると難儀するのな想像に難くありません。そうなると学校側、保護者、そして学生達から抗議の声が上がり、駅舎の大型化、長い軒の設置など、設計の変更を迫られ、その分、コストが嵩みます。100人以上もの学生が集中する列車は、恐らく1日で1本~数本程度で、雨の日もそれ程多くないと思われます。JR東海としては、収支が厳しいローカル路線で、そのためだけの費用を掛けるのをためらっているのかもしれません…。

 もっと斜めに見ると、この夏休みという時期は高校が休みなので、その間に始めてしまい、もう変更できませんと返す意図があるのかもしれません。


 会話も程々に、駅の周辺をぶらつきます。

JR古井駅、大量の自転車が置かれた駐輪場

 駅の左手には広いスペースが取られた自転車置き場があり、夥しい数の自転車が上屋の下に置かれています。一列に40台が止められているとして、それが7列…、学生利用の多さを物語り、学生に支えられている駅なのだと実感します。

JR高山本線・古井駅、昔ながらの風情の駅前通り

 駅前を通る道はやっと車がすれ違える位の細さで、沿道には商店が立ち並びます。こじんまりとし、ローカル線の昔からの駅前通りといった感じがします。

JR東海・高山本線・古井駅近くの郵便局だった木造建築

 3分ほど東に歩き交差点まで来ると、古めかしい木造建築物があるのを発見。いかにも元郵便局局舎っぽい建物です。写真を撮っていると、近所の人が、前は郵便局で電話交換手がいてな…と懐かしそうに話してくれました。

JR高山本線・古井駅近く、銀行跡っぽい建物

 この小さいけれど重厚さある建物は元銀行でしょうか?今では工場か何かのようで、中からは機械が動く音が絶えず聞こえてきました。

 あと、7年前に来た時、この商店街の中のお菓子屋さん買った団子が美味しく、今回もと楽しみにしていました。しかし、見つかりません…。それっぽいお店はあったのですが、シャッターが下り、建物が寂れた雰囲気が漂っていました。もう無くなってしまったようです。

 ぶらぶら歩く道すがら、地元の人に古井駅舎改築について質問してみました。すると、大体の方がそれとなく知ってはいるようです。中には、耐震性の問題で改築となり、この前、駅で測量をしていたの見たと教えてくれた人もいました。


 駅に戻ってきました。

JR古井駅、プラットホームに座り列車を待つ若者の乗降客

 ふとホームに出ると、下りホームでは20人位の学生が列車を待ってます。ホームに直に座っているのがイマドキの若者といった感じ。この人たちには駅舎は無くても気にしなく、逞しく列車待つのだろうと妙な感心が湧き上がりました(笑)

 それにしても、部活か何かで出校していたのでしょうか?夏休みなのに約20人もいます。学期中の登下校時は、大勢で溢れかえる光景を思い起こさせます。

 列車の時間までまだあり、一息入れようと自動販売機で飲み物を買おうとしました。

JR古井駅の木造駅舎、木目浮き年月感じさせる壁面

 すると、自動販売機の陰に駅舎の壁面が垣間見えました。組まれた木の板は、押縁でしっかりと押さえ込まれていました。押縁の木は、下見張りに組まれた板に合うように、細かくギザギザに削られています。細かく丁寧な仕事に感嘆…。だけど、それももうすぐ解かれてしまうのでしょう。

JR古井駅、木造駅舎と怪しい雲行きの夕空

 植え込みの縁に座り、列車待ちの間、しばしの夕涼み。夕暮れ時を迎え、茜色の空は厚い雲で覆われていました。ここ数日、夜はゲリラ豪雨のような気候へと、突然、空模様が急変していました。今日もそうなるのでしょうか…。遠雷がかすかに私の耳を掠めました。


[2016年8月訪問] (岐阜県美濃加茂市)

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作者: Solano

Solano

列車に乗って気ままに鉄道旅。
或る駅でふと降りて、駅舎や構内をあれこれ観察。そしてぶらぶら街歩き。
飛行機でどこか遠くへ行くことも。
日本全国、たまに海外へ…

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